アイスホッケーの世界最高峰リーグ、NHL(National Hockey League)。
世界各国の優れた選手が集まり、毎年10月から6月まで熱戦を繰り広げます。
世界中にファンを抱えるNHLですが、情報源は英語ばかりでとっつきにくと思っている人も多いはず…。
そこで、この記事ではNHLの成り立ちやシーズンの流れについて解説していきます!
リーグの歴史
アイスホッケーはアメリカ4大スポーツの一つに数えられ、カナダでは国技として親しまれるなど、北米では非常に高い人気を誇っています。
そんな北米において、アメリカの24チームとカナダの7チーム、計31チームで構成される世界最高峰のアイスホッケーリーグがNHLです。
設立初期
NHLは、前身であるNHA(National Hockey Association)に所属していたカナダの4チームにより1917年に設立され、その年の12月19日に最初の試合を開催しました。
1920年代に拡張期を迎えたNHLは、複数のカナダのチームが参入、脱退を繰り返し、1924年にはボストン ブルーインズが初のアメリカチームとしてリーグに参加しました。
オリジナルシックス
その後も順調に拡大していたNHLですが、世界恐慌や第二次世界大戦の影響を受けてチーム数は徐々に減少。
1942年−1943年のシーズンには6チーム体制となり、そこから25年間、NHLは6チームでの争いが続きました。
当時参加していたボストン ブルーインズ、シカゴ ブラックホークス、デトロイト レッドウィングス、モントリオール カナディアンズ、ニューヨーク レンジャーズ、トロント メイプルリーフスはオリジナルシックスと呼ばれ、現在でも変わらずプレーしています。
リーグ拡張期
1967年−1970年にかけてアメリカの6チームが加わったことで、25年ぶりにリーグの顔ぶれが変わりました。
その後も1970年、1972年、1974年にそれぞれ2チームずつが加わり、リーグは18チームでの争いに移行します。
1978年に合併により1チーム減りますが、1979年にはWHA(World Hockey Association)の4チームが合流。
さらに1988年から2000年にかけて9チームが新たに誕生し、リーグは30チームまで規模を広げます。
そして2017年、ラスベガス ゴールデンナイツがリーグに加入し、現在の31チームによる運営が開始されました。
2021年には、32番目のチームとしてシアトル クラーケンの加入が決まっています。
参加チーム
NHLは広大なアメリカ、カナダ中にチームが存在するため、東西2つのカンファレンスに分かれています。
そして、各カンファレンスは2つのディビジョンに分かれ、計4つのディビジョン制で運営されています。
ここから、各カンファレンス、ディビジョンのチームを紹介していきます。
わかりやすいように、アメリカのチームに青色、カナダのチームに赤色のマーカーを引いておきますね!
イースタン カンファレンス
アトランティック ディビジョン(8チーム)
- ボストン ブルーインズ(マサチューセッツ州 ボストン)
- バッファロー セイバーズ(ニューヨーク州 バッファロー)
- デトロイト レッドウィングス(ミシガン州 デトロイト)
- フロリダ パンサーズ(フロリダ州 サンライズ)
- タンパベイ ライトニング(フロリダ州 タンパ)
- モントリオール カナディアンズ(ケベック州 モントリオール)
- オタワ セネターズ(オンタリオ州 オタワ)
- トロント メイプルリーフス(オンタリオ州 トロント)
メトロポリタン ディビジョン(8チーム)
- カロライナ ハリケーンズ(ノースカロライナ州 レイリー)
- コロンバス ブルージャケッツ(オハイオ州 コロンバス)
- ニュージャージー デビルズ(ニュージャージー州 ニューアーク)
- ニューヨーク アイランダーズ(ニューヨーク州 ユニオンデール)
- ニューヨーク レンジャーズ(ニューヨーク州 ニューヨーク)
- フィラデルフィア フライヤーズ(ペンシルバニア州 フィラデルフィア)
- ピッツバーグ ペンギンズ(ペンシルバニア州 ピッツバーグ)
- ワシントン キャピタルズ(ワシントンD.C.)
ウエスタン カンファレンス
セントラル ディビジョン(7チーム)
- シカゴ ブラックホークス(イリノイ州 シカゴ)
- コロラド アバランチ(デンバー州 コロラド)
- ダラス スターズ(テキサス州 ダラス)
- ミネソタ ワイルド(ミネソタ州 セントポール)
- ナッシュビル プレデターズ(テネシー州 ナッシュビル)
- セントルイス ブルース(ミズーリ州 セントルイス)
- ウィニペグ ジェッツ(マニトバ州 ウィニペグ)
パシフィック ディビジョン(8チーム)
- アナハイム ダックス(カリフォルニア州 アナハイム)
- ロサンゼルス キングス(カリフォルニア州 ロサンゼルス)
- サンノゼ シャークス(カリフォルニア州 サンノゼ)
- アリゾナ コヨーテス(アリゾナ州 グレンデール)
- ベガス ゴールデンナイツ(ネバダ州 パラダイス)
- カルガリー フレイムズ(アルバータ州 カルガリー)
- エドモントン オイラーズ(アルバータ州 エドモントン)
- バンクーバー カナックス(ブリティッシュコロンビア州 バンクーバー)
ちなみに、僕は初めてのNHL観戦がマディソンスクエアガーデンでのニューヨーク レンジャーズの試合だったので、それ以来熱狂的なレンジャーズファンです。
これからNHLを見始める皆さん、ぜひ一緒にレンジャーズを応援しましょう!!笑
シーズンの流れ
ここでは、NHLのシーズンの流れを説明していきます。
31チームの大所帯なので結構複雑ですが、仕組みがわかるとリーグ戦をチェックするのがより面白くなります!
プレシーズン
NHLのチームの1年は、7月にレギュラーシーズンに先立って開催される有望若手選手のトレーニングキャンプ「サマーショーケース」から始まります。
主力選手やベテラン選手を交えたトレーニングキャンプは9月の中旬〜下旬から始まり、キャンプ期間中に各チーム6〜8試合のプレシーズンゲームを行います。
このキャンプとプレシーズンゲームで、若手選手は出場機会獲得のためのアピールを、主力選手はレギュラーシーズン開幕に向けた調整を行います。
レギュラーシーズン
レギュラーシーズンは10月上旬から4月の中旬にかけて行われます。
各チームがプレーオフ進出をかけ、82試合を戦う長丁場です。
82試合のうち、半分の41試合がホームアリーナで、もう半分の41試合は敵地で行われます。
NHLは2つのカンファレンス、4つのディビジョンに分かれていますが、異なるカンファレンス、ディビジョンに所属するチームとも最低2試合は戦います。
82試合のレギュラーシーズンを戦った後、各カンファレンスから8チーム、計16チームがプレーオフへと駒を進めます。
日本のプロスポーツではリーグ戦の優勝がかなり重視されている印象ですが、NHLをはじめとするアメリカンスポーツではレギュラーシーズンはあくまでもプレーオフのための予選、という意味合いが強いように感じます。
その影響もあって、終盤のプレーオフ進出争いは大白熱で、非常に盛り上がります!
プレーオフ
4月に入ると、長い長いレギュラーシーズンを勝ち抜いた16チームにより、スタンレーカップ プレーオフが開催されます。
スタンレーカップとは、過酷なプレーオフを制したチームに与えられる優勝杯であり、全世界のアイスホッケー選手の憧れでもあります。
NHLのプレーオフは東西2つのカンファレンスに分かれて行われます。
それぞれのカンファレンスを勝ち上がったチーム同士がスタンレーカップ ファイナルに進出し、優勝の座を争います。
各ラウンドは、4戦先勝の最大7試合方式で行われます。
つまり、優勝するには最小でも16試合、最大で28試合戦うことになるのです。
気の遠くなるような道のりですね。
プレーオフのホッケーは、レギュラーシーズンのそれとは別物と言われています。
接触プレーは激しさを増し、得点後の喜びようも半端ではありません。
極限の緊張感の中で生み出される数々のスーパープレーは、あなたの心にも深く刻まれること間違いなしです!
エントリードラフト
スタンレーカップ プレーオフが6月上旬に終わると、下旬にはエントリードラフトが開かれます。
エントリードラフトとは、各NHLチームが順番に北米の18歳−20歳、ヨーロッパおよびそれ以外の国の18歳−21歳の選手を指名するイベントです。
ドラフトは7ラウンド行われ、指名順はレギュラーシーズン、プレーオフの成績が悪いチームが早く指名できるように設定されます。
しかし、有望選手の獲得が期待できる1巡目の15番目までは、プレーオフ進出が叶わなかったチームによるくじ引きで決まります。
ドラフト1巡目の第1指名は例年ドラフト前から大注目されます。
第1位名を受けた選手はほぼ例外なく主力として活躍しており、時には1人でリーグの勢力図を変えてしまうほどの選手も。
エントリードラフトはチームの将来を左右する、オフシーズンの一大イベントなのです!
まとめ
アイスホッケーはウィンタースポーツというイメージが強いと思いますが、NHLはほぼ1年中イベントが行われ、ファンを飽きさせることのない最高のエンターテイメントです!
刺激のない日々に退屈している皆さん、NHLファンになって一緒に楽しみましょう!!
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