NHLファンのためのチーム解説シリーズ!
第5回目は、フロリダ パンサーズ (Florida Panthers) を紹介します!
基本情報
フロリダ パンサーズは、NHLチームの中で最南端である、アメリカのフロリダ州サンライズに本拠地を置くチームです。
フロリダは気候が温暖なリゾート地として知られているので、そこにアイスホッケーチームがあるのを意外に思う人もいるかもしれませんね。
パンサーズは、カリフォルニア州にあるアナハイム ダックスと時を同じくして、1993-1994年シーズンにNHLに参戦しました。
BB&T センターをホームアリーナとして戦っています。
フロリダ パンサーズの基本情報は以下の通りです。
所属カンファレンス | イースタン カンファレンス |
所属ディビジョン | アトランティック ディビジョン |
創立年 | 1993年 |
ホームタウン | フロリダ州 サンライズ |
ホームアリーナ | BB&T センター |
チームカラー | 赤、青、金 |
プレーオフ優勝 | 0回 |
レギュラシーズン1位 | 0回 |
チームの歴史
フロリダ パンサーズは、アメリカの大手レンタルビデオ・ゲーム会社であったブロックパスター社の大物、ウェイン ハイゼンガさんによって1992年12月10日に設立されました。
チーム名は、フロリダにあるエバーグレイズという地域で絶滅危惧種に指定されていた大型の肉食獣、パンサーにちなんで付けられました。
パンサーズにとって初のシーズンである1993-1994年シーズンは、リーグ参戦初年度としては素晴らしい成績で幕を閉じました。
一般的に、新しいチームにはエース級の選手がおらず、初年度は大きく負け越すことがほとんどです。
しかし、パンサーズは「トラップ ディフェンス」という守備的な戦術を採用し、あと一歩でプレーオフ進出、というところまで善戦しました。
スタートダッシュに成功したパンサーズは、3年目である1995-1996年シーズンにはスタンレーカップ ファイナルまで駆け上がります!
惜しくもファイナルでコロラド アバランチに敗れますが、当時のプレーオフ初出場チームによる最多勝利を記録。
このパンサーズの活躍は、世界中のホッケーファンを驚かせました。
近い将来の成功を予感させたパンサーズでしたが、ここから今日までに至る長い暗黒期が幕を開けてしまいます。
リーグ参入から30年近くが経ったパンサーズですが、プレーオフ進出はわずかに6回。
さらに、プレーオフで第1ラウンドを突破したのも、1996年にファイナルまでたどり着いた年のみなのです!
近年は強力なフォワード陣にNHL屈指のゴーリーを擁し、プレーオフを勝ち上がるための陣営が整いつつあるパンサーズ。
まずは初戦を突破し、嫌なジンクスの払拭を目指して頑張ってほしいですね!
ホームタウン
パンサーズの本拠地であるBB&T センターは、フロリダ州サンライズに位置しています。
サンライズという地名をご存じの方はあまりいないのではないでしょうか。
街自体には観光資源はあまりなく、大型ショッピングセンターがいくつかある程度なので、パンサーズの試合観戦以外では行くことはないかもしれません。笑
そんなサンライズですが、少し南下すれば有名リゾート地のマイアミがあります!
いつかマイアミビーチをサングラスをかけて歩いてみたいですねぇ…。
また、北に4時間ほど車を走らせれば、泣く子も黙るディズニーワールド!!
フロリダ州オーランドのディズニーワールドは、4つのテーマーパークからなる世界最大のエンターテインメント施設の一つです。
というわけで、パンサーズ観戦ツアーの際は周辺都市へ足を伸ばしてみることをお勧めします!
近年の成績
パンサーズの直近5年間の成績は以下の通りです。
シーズン | ディビジョン内順位 (8チーム中) | プレーオフ結果 |
2015−2016 | 1位 | 第1ラウンド敗退 |
2016−2017 | 6位 | 進出できず |
2017−2018 | 4位 | 進出できず |
2018−2019 | 5位 | 進出できず |
2019−2020 | 4位 | 出場権獲得ラウンド敗退 |
現在4シーズン連続でプレーオフ進出を逃しているパンサーズ。
ただ、昨シーズンはプレーオフ出場一歩手前の非常に惜しいところまでいきました。
フォワードのトップラインの破壊力はリーグ屈指!
課題の守備が改善すれば、リーグ上位を狙えるポテンシャルを秘めています。
プレーオフ進出わずか6回という不名誉な記録を返上し、常夏のフロリダにアイスホッケー旋風を巻き起こしてくれることを期待しましょう!
注目選手
最後に、フロリダ パンサーズで注目すべき選手を、フォワード3人、ディフェンス2人、ゴーリー1人の計6人紹介します!
フォワード
ジョナサン フバードウ(Jonathan Huberdeau)
誕生日 | 1993年6月4日 |
身長 | 185cm |
体重 | 91kg |
ポジション | レフトウィング |
スティック | レフトハンド |
背番号 | 11 |
国籍 | カナダ |
まず紹介するのは、パンサーズの頼れるポイントゲッター、ジョナサン フバードウ選手です!
2011年のエントリードラフトでパンサーズに全体3番目の順位で指名され、大きな期待を背負って入団したフバードウ選手。
2012-2013年シーズンに開幕メンバー入りを果たすと、初出場した試合のわずか2シフトめ、キャリア初シュートでNHL初ゴールを記録!
その後も2アシストを記録し、デビュー戦でいきなりその試合の最優秀選手に選ばれるなど、期待に違わぬ実力とスター性を発揮します。
ルーキーシーズンはその後も活躍を続け、見事新人王を獲得!
直近の2シーズンでは、一流選手の証である試合数>ポイント数(ゴール+アシスト)を記録するなど、チームに欠かせないース選手としてパンサーズを引っ張っています。
まだ27歳と若く、これから円熟期を迎えるフバードウ選手。
彼がパンサーズに初のスタンレーカップをもたらすことができるのか、注目です!
アレクサンダー バーコフ(Aleksander Barkov)
誕生日 | 1995年9月2日 |
身長 | 191cm |
体重 | 96kg |
ポジション | センター |
スティック | レフトハンド |
背番号 | 16 |
国籍 | フィンランド |
続いて紹介するのは、若くしてパンサーズのキャプテンを務めるアレクサンダー バーコフ選手です!
2013年にパンサーズにドラフト全体2位で指名されたバーコフ選手。
ルーキーシーズンからトップチームでポジションを勝ち取ると、2013年10月3日の試合で初ゴールを奪取!
当時は18歳と32日でしたが、これは1967年にNHLがチーム数を拡大して以来、最年少でのゴールとなる大記録でした。
2015-2016年シーズンに本格的なブレイクを果たすと、2017-2018年シーズンは記録ラッシュの1年に。
キャリアハイとなる1試合5ポイントや初のオールスター出場、また、受賞とはなりませんでしたが初の個人賞最終候補へのノミネートなど、チームの中心選手へと順調にステップアップしていきます。
その活躍が認められ、翌2018年からキャプテンを務めるバーコフ選手。
高いスキルはもちろん、クリーンなプレースタイルの選手としても知られ、2018-2019年シーズンには高いスポーツマンシップと紳士的な振る舞いをする選手に贈られるレディ ビング メモリアル トロフィーを受賞しています。
25歳とまだまだ若く、さらなる成長が期待されるバーコフ選手!
今後どんなスケールの選手になるか、非常に楽しみです!
パトリック ホルンクヴィスト(Patric Hornqvist)
誕生日 | 1987年1月1日 |
身長 | 180cm |
体重 | 86kg |
ポジション | ライトウィング |
スティック | ライトハンド |
背番号 | 70 |
国籍 | スウェーデン |
フォワード3人目は、新戦力のパトリック ホルンクヴィスト選手!
2005年にナッシュビル プレデターズから全体230番目、その年の最後の選手としてドラフトされたホルンクヴィスト選手。
2008年から2014年までの6シーズンをプレデーターズでプレーしたのち、トレードでピッツバーグ ペンギンズに移籍します。
ペンギンズでは、ホルンクヴィスト選手と同じ年のドラフトで全体1位指名を受けたスーパースター、シドニー クロスビー選手と同じラインでプレー!
2016年、2017年のスタンレーカップ プレーオフ2連覇に貢献するなど、チームの中心選手の1人として活躍しました。
そして2020年の9月、若いタレントフォワードたちを支える役割を期待され、パンサーズにトレードで移籍してきました。
プレデターズ、ペンギンズの一員としてプレーオフで90試合に出場し、2度のカップ獲得。
そして、スウェーデン代表として世界選手権金メダルを獲得したこともある経験豊富なホルンクヴィスト選手。
安定感のあるプレーはもちろん、精神面でもチームを支える働きを見せてくれることでしょう!
ディフェンス
アーロン エクブラッド(Aaron Ekblad)
誕生日 | 1996年2月7日 |
身長 | 193cm |
体重 | 100kg |
ポジション | ディフェンス |
スティック | ライトハンド |
背番号 | 5 |
国籍 | カナダ |
ディフェンスの1人目はアーロン エクブラッド選手です!
2014年のエントリードラフトでパンサーズから全体1位指名を受け、NHL入りを果たしたエクブラッド選手。
開幕から主力ディフェンスとして活躍し、ルーキーとしていきなりオールスターに出場します。
エクブラッド選手はその年のルーキーの中でゴール、パワープレーゴール、パワープレーポイント、シュート数で1位を獲得する大活躍!
パンサーズのルーキーディフェンス史上最多ゴール、アシスト、ポイント数の記録も更新し、新人王に輝きました。
ルーキーイヤーから5年連続で2桁ゴールを記録するなど、攻守にわたり貢献度の高いエクブラッド選手。
パンサーズの課題である失点の減少の鍵を握る重要選手です!
キース ヤンドル(Keith Yandle)
誕生日 | 1986年9月9日 |
身長 | 185cm |
体重 | 86kg |
ポジション | ディフェンス |
スティック | レフトハンド |
背番号 | 3 |
国籍 | アメリカ |
ディフェンスの2人目はキース ヤンドル選手です!
ベテランディフェンスであるヤンドル選手は、2015年のドラフトでフェニックス コヨーテス(現在のアリゾナ コヨーテス)に第4ラウンドで指名されてNHLでのキャリアをスタートします。
コヨーテスでは攻撃的ディフェンスとして重要な役割を担い、オールスターにも出場しました。
2015年にトレードで移籍したニューヨーク レンジャーズを経て、2016年の6月にパンサーズの一員に加わります。
パンサーズでも毎シーズンコンスタントに50ポイント前後を記録し、ブルーラインからの強烈なシュートは相手チームの脅威となっています。
NHL屈指の鉄人としても知られるヤンドル選手は、866試合連続試合出場というNHL史上4位の記録保持者!
34歳とNHL選手としては若くありませんが、その強靭な肉体と精神力でパンサーズのディフェンスを支えます!
ゴーリー
セルゲイ ボブロフスキー(Sergei Bobrovsky)
誕生日 | 1988年9月20日 |
身長 | 188cm |
体重 | 83kg |
ポジション | ゴーリー |
キャッチハンド | 左手 |
背番号 | 72 |
国籍 | ロシア |
最後に紹介するのはパンサーズの守護神、セルゲイ ボブロフスキー選手です!
2010年にロシアのチームからフィラデルフィア フライヤーズに加入したボブロフスキー選手は、主にバックアップゴーリーとして2年間プレーしたのちにコロンバス ブルージャケッツにトレード移籍します。
ブルージャケッツで正ゴーリーのポジションを掴むと、その才能が一気に開花します!
2012-2013年にチームに加入すると、弱小チームだったブルージャケッツで平均失点2.00点、セーブ率93.2%を記録。
チームは惜しくもプレーオフ進出を逃しますが、ボブロフスキー選手は最優秀ゴーリーに贈られるヴェジナ トロフィーを獲得します。
翌年にはチーム史上初となるプレーオフでの勝利を記録し、その2年後の2016-2017年シーズンには2度目のヴェジナトロフィーを受賞。
2019年のプレーオフではレギュラーシーズン1位のタンパベイ ライトニングを4戦全勝で退ける下克上の立役者となり、チームに史上初のプレーオフ第1ラウンド突破をもたらします。
ブルージャケッツでチームの屋台骨として八面六臂の活躍を見せていたボブロフスキーですが、ヘッドコーチとウマが合わず、2019年7月1日にフリーエージェント選手としてフロリダ パンサーズに移籍します。
7年総額7,000万ドル(約73億円!)の超大型契約からわかるように、強力なフォワード陣を擁しながら守備の穴が大きかったパンサーズの重要なピースとして、大きな期待を背負っての移籍でした。
しかし、それまでの安定した成績が嘘のように、加入直後から成績は低迷。
セーブ率90.0%、平均失点3.23点と、加入初年度は期待に見合う働きはできませんでした。
類稀な身体能力で数々のアクロバティックなセーブを見せてきたボブロフスキー選手。
新天地であるパンサーズのチーム戦術にも慣れ、2020-2021年シーズンは昨シーズンを大きく上回るパフォーマンスが求められます。
個人的に大好きなゴーリーなので、リーグのトップゴーリーとして再び脚光を浴びてほしいと心から願っています!
まとめ
NHLで最南端に位置する、フロリダ パンサーズの紹介でした!
なかなか上位争いに食い込めなかったパンサーズですが、攻守にタレントは揃っています。
課題の守備が改善すれば、プレーオフ進出、そしてスタンレーカップ獲得のチャンスも見えてくるはず!
個人的には、高額な年俸を受け取りながら低調なパフォーマンスに終わり、ファンからのヘイトを集めてしまっているボブロフスキー選手に何とか復活してほしいところです!
頑張れ、パンサーズ!
頑張れ、ボブロフスキー!!
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