NHLチームの栄枯盛衰サイクルを解説!3つの仕組みでリーグは魅力を維持しています!

NHL

毎シーズン、30を超えるチームがしのぎを削り熱い戦いを見せてくれるNHL。
歴史ある古豪から新進気鋭のチームまで様々ですが、皆さんふと気づくことがありませんか…?

そう、毎年のようにプレーオフ進出チームが目まぐるしく入れ替わるのです!
NHLでは、チーム力のバランスを保ってどのチームのファンも楽しめるように、そしてリーグが常に魅力的であり続けるために、様々な工夫が凝らされているのです。

というわけで、この記事ではNHLチームの栄枯盛衰サイクルについて解説していきます!

チームバランスを保つ3つの仕組み

NHLのチームは、だいたいどのチームも長い目で見ると、プレーオフに連続して出場するような好調期とプレーオフ圏外に沈む低迷期を繰り返しています。
もちろんたまたまそうなっているわけではなく、リーグが意図的にそういった状況を作り出しています。

ある特定のチームが常に強く、優秀な選手を囲い込んでリーグを支配している状況が続いたら、弱小チームのファンはどう思うでしょうか?
開幕前からプレーオフ進出が絶望的だと、応援のし甲斐がなくなってしまいますよね。
逆に、強いチームのファンも張り合いがなくなって、いつかは飽きてしまうかもしれません。

NHLでは、チーム力のバランスが保たれ、どのチームにもプレーオフ出場、そしてスタンレーカップ獲得のチャンスが巡ってくる状態こそが魅力的であると考えられています。
そこで、チームバランスを保つためにいろいろな仕組みが施されているのです。

ここでは、代表的な3つの仕組みについて紹介します!

サラリーキャップ

1つ目の仕組みがサラリーキャップです。
サラリーキャップとは「チームの選手の総年俸上限」のことで、このルールによって優秀な選手が特定のチームに集中してしまうことを防いでいます。

NHLはアメリカ、カナダの各都市にチームが点在しているので、都市の規模や魅力によりどうしても収益力に差が出てしまいます。
そんな中で年俸に関する制限がないと、大都市にあるチームが優秀な選手を囲い込んでしまい、チーム力のバランスが崩れかねません。
そこで、サラリーキャップを設けることでエース級の選手を複数のチームにばらけさせ、バランスをとっているのです。

サラリーキャップについては、下の記事で詳しく説明しているので、そちらをぜひご覧ください!

フリーエージェント制度

2つ目の仕組みがフリーエージェント制度です。

NHL選手は所属チームとの契約が切れると、フリーエージェント(自由契約選手)となります。
もちろんその時の所属チームと契約延長を行うこともできますが、同時にすべてのチームとの契約交渉が可能になります。

一般的に、伸び盛りの選手はこのタイミングで年俸が大きく上がります。
しかし、プレーオフに安定して出場するようなチームは高年俸選手を何人も抱えているケースが多いため、前述したサラリーキャップの関係で伸び盛りの選手の契約を更新することができません。

そうすると、優秀な若手選手が資金力に余裕のある再建期のチームに移籍することにつながり、結果としてチームのバランスが保たれやすくなるのです。

フリーエージェント制度については詳しく解説した記事があるので、もっと深く知りたい方は読んでみてください!

ドラフト

3つ目の仕組みがドラフトです!

NHLの選手は、ほとんどがプレーオフ後に開催されるエントリードラフトで各チームに指名されてNHL入りします。
このドラフトは、前シーズンの順位が低いチームがより早い順位で選手を指名できるようになっています。
つまり、弱いチームがより優秀な選手を獲得しやすい仕組みになっているのです!

低迷期に陥り、連続でプレーオフを逃し続けてしまっているチームも、その間にドラフトで獲得した優秀な若手選手が順調に成長すれば、数年後にはその選手たちが中核としてチームを支えて強くなれるチャンスがあります。
このように、ドラフトもチーム間のバランスを保つ仕組みとして機能しているのです!

エントリードラフトについても、下の記事で詳しく解説しています。
興味のある方はぜひチェックしてみてください!

栄枯盛衰のサイクル

ここからは、一般的にNHLのチームがたどる栄枯盛衰のサイクルを僕なりにまとめてみました!
もちろん例外もありますが、大体はこんな感じだと思います!笑

育成期

プレーオフ圏外に沈み、チーム再建や若手の育成に舵を切ったチームは育成期に入ります。

育成期に入ったチームは、レギュラーシーズンが佳境に入ると主力の高年俸選手を、プレーオフ優勝を目指すチームやプレーオフ当落線上のチームにトレードし、引き換えに将来有望な若手選手を獲得します。
こうしてキャップスペース(総年俸の上限と実際の総年俸の差)に余裕を作り、若手選手が成長して年俸が上がってもしっかりチームにとどまってもらえる準備を始めます。

また、育成期に入ったチームはそこから数年はチーム力が劣るため、プレーオフを逃すシーズンが続くことが多いです。
そうするとドラフトで有望な選手を獲得するチャンスが増えるので、ここで良い選手が指名できればその選手たちもまた将来的にチームを支える選手となります。

再建期にいかに若手選手のポテンシャルを見極め、有望な選手を獲得できるかによって、チーム再建のスピードが大きく変わってくるため、この時期のスカウティングは非常に重要です!

強豪期

再建に成功し、育成期を脱したチームは強豪期に突入します!

強豪期では、育成期中にトレードやドラフトで獲得した若手選手の才能が花開き、チームの主力として躍動します。
所属する選手たちの年齢は比較的若くキャップスペースにはまだ余裕があるため、優秀なフリーエージェント選手も積極的に獲得を狙っていきます。

こうして自前で育成した若手選手の勢いと、フリーエージェントで獲得した中堅、ベテラン選手の経験がうまくかみ合うと、安定してプレーオフ進出を果たし、スタンレーカップ獲得が狙えるチームが出来上がります!
ファンからしたら、応援が楽しくて仕方がないのもこの時期です!

衰退期

強豪期を満喫し、栄華を極めたチームもいつかはチーム力が低下し、衰退期に向かっていきます。

若くしてチームを支えた選手たちは、キャリアを重ねるにつれて年俸が高くなっていき、徐々にキャップスペースを圧迫していきます。
その一方でやはり年齢には勝てないので、選手としてのピークは過ぎて徐々にパフォーマンスも低下。
年俸は高いのに、思うように活躍してくれない選手が増えてしまい、チームとしての成績もなかなか上がりません。

また、強豪期ではスタンレーカップを勝ち取るためにフリーエージェント選手の獲得に加え、トレードで有力選手の補強を進めますが、その時の弾となるのは将来性のある若い選手やドラフト指名権です。
そうなると、次代を担う選手もおらず、チーム力は低下の一途をたどります。

こうして低迷期に陥り、先が見えなくなったチームは、どこかのタイミングで再建を決意し、経験豊富なベテラン選手の放出と引き換えに若手選手の獲得に乗り出します。
そして、また育成期から新たに栄枯盛衰のサイクルをたどるのです。

まとめ

この記事では、NHLがリーグの魅力を保つための工夫と、チームのたどる栄枯盛衰のサイクルについて僕なりに解説してみました!

スポーツやリーグによって考え方は様々で、日本のプロ野球やヨーロッパのサッカーリーグなど、圧倒的強豪の存在を良しとするリーグも存在します。
でも、僕は個人的にはすべてのチームに平等に優勝を狙うチャンスがあり、毎年のようにプレーオフの顔ぶれが入れ替わる方がやっぱり面白いと思っています。

もちろん再建期はつらいです。
数年前にニューヨーク レンジャーズが再建期に入ったときもゼネラルマネージャーからファンに文書が出され、その直後にキャプテンやエース、チームの心臓ともいえる選手たちが次々と放出されていきました。
Twitterで移籍情報を見て飛び起き、1日中ブルーな気分になったのを今でも覚えています。笑

でも、そんな時期があったからこそ、今有望な若手選手が次々に芽を出し、シーズンを通して成長する様を見るのがすごく楽しいです!
黄金期の到来を予感しながらオフシーズンを過ごせるのもいいなぁ、としみじみ感じています。

皆さんもアイスホッケーに興味を持ったからには、ぜひNHLで推しのチームを作ることをお勧めします!
チームの栄枯盛衰にどっぷり浸かって、喜怒哀楽を大好きなチームと分かち合う日々を送りましょう!!
推しのチームの作り方がわからない!という方はこちらをチェック!!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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