NHLファンのためのチーム解説シリーズ!
第6回目は、タンパベイ ライトニング (Tampa Bay Lightning) を紹介します!
基本情報
タンパベイ ライトニングは、パンサーズと同じくアメリカのフロリダ州に本拠地を置くチームです。
パンサーズがマイアミ近くのサンライズを拠点にしているのに対し、ライトニングはそこから北西に進んだタンパに位置しています。
ライトニングは、1980年代後半から始まったNHLの拡張の一環で、1992-1993年シーズンにNHLに参戦。
ホームアリーナは、水辺にたたずむアマリーアリーナです。
タンパベイ ライトニングの基本情報は以下の通りです。
所属カンファレンス | イースタン カンファレンス |
所属ディビジョン | アトランティック ディビジョン |
創立年 | 1992年 |
ホームタウン | フロリダ州 タンパ |
ホームアリーナ | アマリーアリーナ |
チームカラー | 青、白 |
プレーオフ優勝 | 2回 |
レギュラシーズン1位 | 1回 |
チームの歴史
タンパベイ ライトニングは、1990年12月6日にフィル エスポシートさんとトニー エスポシートさんという、アイスホッケーの殿堂入りを果たしている2人が率いるグループが設立権を勝ち取ったことで生まれました。
「ライトニング」というチーム名は、タンパ ベイが北米で最も雷が多い土地であることから名付けられました。
ちなみに、ライトニングは稲妻、雷を意味する「Bolts(ボルツ)」という愛称でも親しまれています。
現地で応援する際は、Go Bolts, Go!と大声を張り上げましょう!
1992年9月に、チーム初となるプレシーズンゲームを行ったライトニング。
このプレシーズン期間には、女性アスリート界にとって歴史的な瞬間も訪れました。
なんと、カナダ人ゴーリーのマノン レイアム選手が、NHL史上初の女性ゴーリーとしてセントルイス ブルース戦でゴールを守ったのです!
プレシーズンとはいえ、今までNHLはおろか、北米の4大スポーツを見渡しても女性が試合でプレーしたことはありませんでした。
当時の北米ではかなり先進的な取り組みであり、このニュースは大きな驚きをもって世間に受け入れられました。
設立後しばらくは、ライトニングにとって厳しいシーズンが続きます。
経験の浅さとタレントの不足から、リーグ優勝はおろかプレーオフ進出のチャンスすらなかなか訪れませんでした。
ここで豆知識ですが、設立権獲得には、実は「国際グリーン株式会社」という日本の企業がかかわっていました!
しかしこれがまたきな臭い会社で、代表が公の場に姿を現さず、存在すら疑われたり、チームを暴力団の資金洗浄に利用しているという噂が流れたり…。
結局、国際グリーンは1998年に所有権を放棄し、2005年には経営破綻を迎えますが、ライトニングの設立後の長い低迷の主因は国際グリーンによる資金難だったといわれています。
日本人を代表し、ライトニングファンの皆様に謝罪いたします。
申し訳ございませんでした。
そんなライトニングですが、2000年代に入ってからは状況が一変!
ドラフトで獲得した才能あふれる選手たちがチームの核として機能し始め、2002-2003年シーズンには初めてプレーオフの第一ラウンドを突破。
第二ラウンドではその年のスタンレーカップを獲得したニュージャージー デビルズに敗れますが、翌シーズンもレギュラーシーズン2位の成績でプレーオフに進出します。
2003-2004年シーズンのプレーオフでは、並み居る強豪を倒してチーム史上初のスタンレーカップ ファイナルに出場。
ファイナルではカルガリー フレイムズを第7戦までもつれ込む激戦の末に退けて、悲願の初優勝を果たします!
近年はすっかり強豪チームとしての評価をほしいままにしているライトニング。
昨シーズンも強力なフォワード陣と安定したディフェンス陣、そして鉄壁のゴーリーを擁し、圧倒的な強さで2度目のスタンレーカップを獲得しました。
今まさに黄金期を迎えているライトニング。
主力選手たちがパフォーマンスのピークを過ぎるまでに、何度スタンレーカップを獲得できるかに注目しましょう!
ホームタウン
ライトニングの本拠地であるアマリーアリーナは、フロリダ州タンパに位置しています。
マリンスポーツが盛んで、西のビーチエリアはアメリカ有数のリゾート地として知られています。
ブッシュガーデンという遊園地と動物園、水族館がセットになった巨大観光施設もあり、豊かな自然とエンターテインメントが一度に楽しめるタンパ。
車で1時間ほど走れば、みんなの憧れディズニーワールドにも行けちゃいます!
観戦旅行に行くなら、タンパは最有力候補ですね!
近年の成績
ライトニングの直近5年間の成績は以下の通りです。
シーズン | ディビジョン内順位 (8チーム中) | プレーオフ結果 |
2015−2016 | 2位 | カンファレンス ファイナル敗退 |
2016−2017 | 5位 | 進出できず |
2017−2018 | 1位 | カンファレンス ファイナル敗退 |
2018−2019 | 1位 | 第一ラウンド敗退 |
2019−2020 | 2位 | プレーオフ優勝 |
直近5年で4度プレーオフに進出し、昨シーズンはスタンレーカップ獲得と、乗りに乗っているライトニング。
ここから先も数年は安定した成績を残すことでしょう!
注目選手
最後に、フロリダ パンサーズで注目すべき選手を、フォワード3人、ディフェンス2人、ゴーリー1人の計6人紹介します!
フォワード
スティーブン スタムコス(Steven Stamkos)
誕生日 | 1990年2月7日 |
身長 | 185cm |
体重 | 88kg |
ポジション | センター |
スティック | ライトハンド |
背番号 | 91 |
国籍 | カナダ |
最初の選手は、パンサーズの頼れるキャプテン、スティーブン スタムコス選手です!
カナダのジュニアリーグで圧倒的な成績を残し、2008年のエントリードラフトでライトニングに全体1番目の順位で指名されたスタムコス選手。
NHL最悪の記録となる31勝しかできなかったライトニングの救世主として、大きな期待を背負ってチームに入団しました。
ルーキーシーズンの開幕からトップチームで試合に出場し、ルーキーにして23ゴール、23アシストの46ポイントを記録。
2年目の2009-2010年シーズンには全試合に出場して51ゴールを挙げ、弱冠20歳で得点王を獲得します!
その2年後にはキャリアハイとなる60ゴールを奪い、2度目の得点王に!
その後はけがに泣かされるシーズンもありましたが、NHLのトップスコアラーとして変わらぬ活躍を続けています。
得点王2回、オールスター出場6回、スタンレーカップ1回と、押しも押されぬスーパースターのスタムコス選手。
年齢的にはベテランの域に差し掛かりますが、その正確なシュートスキルは健在です。
チームを引っ張る大黒柱に注目しましょう!
ニキータ クチェロフ(Nikita Kucherov)
誕生日 | 1993年6月17日 |
身長 | 180cm |
体重 | 82kg |
ポジション | ライトウィング |
スティック | レフトハンド |
背番号 | 86 |
国籍 | ロシア |
続いて紹介するのは、ライトニングの超強力攻撃陣のエース、ニキータ クチェロフ選手!
ロシアのKHL(Kontinental Hockey League)でプロ選手としてプレーしていたクチェロフ選手。
2011年のドラフトでライトニングから2巡目で指名を受け、2013-2014年シーズンにチームに合流します。
そして2013年11月25日、NHLの最初の試合の最初のシフト、さらに最初のシュートでNHL初ゴールを記録!
ド派手なプレーでファンを沸かせると、NHLにも慣れた2年目には29ゴールとブレイクを果たします。
その後は安定して30ゴール以上を記録し、2018-2019年シーズンには41ゴール、リーグ最多となる87アシスト、これまたリーグトップの128ポイントの大活躍!
リーグのトップスコアラーに贈られるアート ロス トロフィー、2種のMVP賞であるテッド リンゼイ賞、ハート記念賞を総なめします。
2019-2020年シーズンのレギュラーシーズンも安定した活躍を見せ、プレーオフでは25試合で34ポイントを挙げる活躍でチームのスタンレーカップ獲得に大きく貢献!
チームを引っ張るエースとして躍進を続けるクチェロフ選手から目が離せません!
ブレイデン ポイント(Brayden Point)
誕生日 | 1996年3月13日 |
身長 | 178cm |
体重 | 75kg |
ポジション | センター |
スティック | ライトハンド |
背番号 | 21 |
国籍 | カナダ |
フォワード3人目は、若き点取り屋のブレイデン ポイント選手!
2014年のエントリードラフトでライトニングから第3ラウンド、全体79番目で指名を受けたポイント選手。
ドラフト後もしばらくはジュニアリーグやNHLの下部リーグであるAHLでプレーをします。
そして2016年10月、トレーニングキャンプでのアピールに成功したポイント選手は、キャプテンのスタムコス選手の後押しを受けて見事に開幕メンバー入り!
そこからNHLに定着すると、シーズンを重ねるごとに実力をつけて2018-2019年シーズンは41ゴール、51アシスト、92ポイントの大活躍でチームのレギュラーシーズン1位獲得に大きく貢献!
そして迎えた2020年のプレーオフでは、22試合で全選手中トップとなる14ゴールを挙げてチームを牽引します。
スタンレーカップ ファイナルの第6戦では決勝ゴールを決めて、チームにスタンレーカップをもたらしました!
まだ24歳と若く、これからの成長が楽しみなポイント選手。
さらなる大活躍に大いに期待しましょう!
ディフェンス
ヴィクター ヘドマン(Victor Hedman)
誕生日 | 1990年12月18日 |
身長 | 198cm |
体重 | 101kg |
ポジション | ディフェンス |
スティック | レフトハンド |
背番号 | 77 |
国籍 | スウェーデン |
ディフェンスの1人目は、リーグ最高のディフェンス選手の1人、ビクター ヘドマン選手です!
スウェーデンのプロリーグで活躍していたヘドマン選手は、ヨーロッパのトッププロスペクトとして2009年のエントリードラフトを迎えると、全体2番目でライトニングから指名を受けます。
ルーキーシーズンからトップチームでプレーを続けると、5年目にして才能が開花!
13ゴール、42アシストの55ポイントを記録すると、以降は安定して50ポイント前後をたたき出してリーグ屈指のディフェンス選手としての地位を確立します。
2020年のプレーオフでは、ディフェンス選手としては史上3位となる10ゴールを挙げ、プレーオフMVPに輝いたヘドマン選手。
サイズを生かした安定した守備と高い得点能力はチームの大きな武器です!
ヘドマン選手のダイナミックなプレーに注目です!
ライアン マクドナー(Ryan McDonagh)
誕生日 | 1989年6月13日 |
身長 | 185cm |
体重 | 97kg |
ポジション | ディフェンス |
スティック | レフトハンド |
背番号 | 27 |
国籍 | アメリカ |
ディフェンスの2人目はライアン マクドナー選手です!
2007年にモントリオール カナディアンズにより全体12番目でドラフト指名されたマクドナー選手ですが、そのまま2年間は大学でプレー。
すると2009年、NHLでプレーすることなくニューヨーク レンジャーズにトレードされ、20011年にレンジャーズの選手としてNHLデビューを果たします。
レンジャーズの主力ディフェンスとして活躍すると、2014年にレンジャーズのキャプテンに就任!
キャプテンとして1年目の2014-2015年シーズンはチームを21年ぶりのレギュラーシーズン1位獲得に導き、プレーオフでは足の骨を折りながらもプレーを続けるなど、頼れるキャプテンとしてファンに愛されていました。
しかし、若返りを図るチームの戦略により2018年2月26日にタンパベイ ライトニングにトレード移籍!
以降はライトニングのオルタネート キャプテンとしてチームの守備を支えています。
マクドナー移籍のTweetを見た時の衝撃は忘れられません…。
ライトニングの一員として、2020年に悲願のスタンレーカップ獲得を果たしたマクドナー。
レンジャーズファンとしてはレンジャーズのユニフォームでカップを掲げる姿が見たかったですが、それでもかつてのキャプテンの誇らしい姿を見て、胸にこみ上げるものがありました。
所属チームは違えど、これからも応援しています、マック!!
ゴーリー
アンドレイ ヴァシレフスキー(Andrei Vasilevskiy)
誕生日 | 1994年6月25日 |
身長 | 191cm |
体重 | 98kg |
ポジション | ゴーリー |
キャッチハンド | 左手 |
背番号 | 88 |
国籍 | ロシア |
最後に紹介するのはライトニングの誇る鉄壁、アンドレイ ヴァシレフスキー選手です!
2012年のエントリードラフトでライトニングから全体19番目を受けたヴァシレフスキー選手。
2014年12月にNHLデビューを果たすと、その試合で見事勝利をおさめます。
ここで豆知識ですが、この試合で彼は「背番号88を付けたリーグ史上初のゴーリー」となりました。
その後は胸郭出口症候群の手術で一時チームを離れますが、リハビリを経てNHLに復帰!
2015-2016年シーズンの途中で当時の正ゴーリーであるベン ビショップ選手からポジションを奪うと、そこから一気にスターダムへ駆け上がります。
2017-2018年にチーム史上最多となる44勝、8完封を挙げ、自身初のオールスターにも出場。
この活躍によりリーグ最優秀ゴーリーに贈られるヴェジナ トロフィーの最終候補にノミネートされます。
惜しくも受賞は逃しますが、リーグ屈指のゴーリーとしてその名を広めます。
翌年の2018-2019年シーズンもセーブ率92.5%、39勝と安定した成績を残し、チームのレギュラーシーズン1位獲得に大きく貢献。
前年に逃したヴェジナ トロフィーを獲得し、名実ともにリーグ最高のゴーリーとなりました。
そして迎えた2019-2020年シーズン。
レギュラーシーズンでは前年から勝利数、セーブ率ともに数字を落とすも、守護神としてチームのゴールを守り続けます。
無事にプレーオフ進出を決めると、プレーオフでは安定したパフォーマンスを発揮!
セーブ率92.7%、平均失点1.90点と抜群の成績で、チームをスタンレーカップ獲得導きました!
そんなヴァシレフスキー選手の特徴は、類まれな身体能力!
アクロバティックな体勢から生み出される数々のスーパーセーブは見る者を魅了します!
ここ数年、記録ラッシュで波に乗っているヴァシレフスキー選手。
ここからさらに経験を積んだ彼が、どんなゴーリーになるのかがとても楽しみです!
まとめ
現在のNHLで最強のチームのひとつ、タンパベイ ライトニングの紹介でした!
攻守に豊富なタレントを揃え、対戦相手を粉砕する試合運びは圧巻です。
最高のホッケーに温暖な気候、数々のエンターテインメント施設がそろうタンパにぜひ遊びに行きましょう!!
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