アイスホッケーで一番格好良いポジションはどこでしょうか?
はい、いうまでもありませんね。
もちろんゴーリー(ゴールキーパー)です。
今日は、そんなゴーリーというポジションについて、ゴーリー歴14年の僕が独断と偏見で熱く語っていきます!
これを読めば、あなたもきっとゴーリーになりたくなるはず!!
ゴーリーとは
アイスホッケーのゴーリーは、地球で一番格好良いポジションです。
この章では、皆さんにゴーリーを好きになってもらう第一歩として、ゴーリーの基本情報をお伝えします!
ポジションの呼称
ゴーリーはゴールを守る人です。
他のスポーツでは「ゴールキーパー」「キーパー」という呼び方が一般的ですね。
ですが、アイスホッケーでは「ゴーリー」という呼称がよく使われます。
アメリカでは他にも「ゴールテンダー」「ネットマインダー」と言う呼び方もされますが、最も一般的なのはゴーリーです。
ゴーリーの友達とアイスホッケー観戦に行く際は、ゴールを守る人のことを「キーパー」ではなく「ゴーリー」と呼びましょう。
おそらく友達はあなたのことが大好きになるはずです。
役割
ゴーリーの役割は、チームの最後の砦としてゴールを守ることです。
アイスホッケーのパックは硬くて重く、またプロのシュートは170km/hを超える速度で飛んできます。
そんなシュートを体を張って止め、ゴールを守る。
格好良くないわけがありません。
僕は個人的には、アイスホッケーとゴーリーは全く別のスポーツだと思っています。
「アイスホッケーのゴーリー」それ単体でスポーツとして捉えられるほど、ゴーリーは専門的で特殊なポジションです。
ゴールの前という限定されたエリアを、いかに正確に、素早く動くか。
常にゴールの中心とパックの間に自分の体を置き、いかに無駄なくシュートを止めるか。
反射神経でシュートを止めていると思われがちですが、実はゴーリーの動きは極めて緻密で、システマチックなのです。
難しいシュートをいとも簡単に止めているように見せるのが、ゴーリーの美学であり目指すべき姿。
優秀なゴーリーほど素人目には地味に見えますが、その矛盾もまたゴーリーの奥深い魅力の一つです。
ゴーリーの防具
ゴーリーは恐ろしい速さで飛んでくるパックを体で止めるため、物凄くゴツい防具を着用します。
まずはスケーター(フォワード、ディフェンスの皆さん)との違いを画像でどうぞ。
全然違いますね!
では、防具をひとつひとつ見ていきましょう。
マスク
ゴーリは顔にパックが当たることもよくあるため、マスクは顎まで覆われています。
顔部分のケージにもいろいろ種類がありますが、写真のキャッツアイタイプが一番かっこいい!
目の部分が猫の目のように見えるため、キャッツアイと呼ばれています!
チェストパッド
体部分のプロテクターは、胴と腕が一体化しています。
痛みがあるとシュートを止めるのが怖くなってしまうし、何より危険なので、チェストパッド選びは妥協しちゃダメ!
肩幅がめちゃくちゃ広くなるので、小顔効果抜群です!笑
トラッパー
左手(左利きなら右手)には野球のグローブのようなトラッパーを着けます。
トラッパーではパックをキャッチしたり、氷の上のパックを覆い隠してフリーズしたりします。
グラブとも呼ばれ、トラッパーでのセーブは「グラブセーブ」と言われます。
速いシュートを左手を精一杯伸ばしてキャッチするのが、めちゃくちゃ格好良いんですよねぇ…。
ブロッカー
右手(左利きなら左手)にはブロッカーを着けます。
ブロッカーは、パックを弾いたりスティックを持ったりできるようになっています。
肩口のシュートをブロッカーで華麗に弾き飛ばすのもまた、めちゃくちゃ格好良いんですよねぇ…。
パンツ
パンツにもしっかりとパッドが入っています。
また、ゴーリーは動きを妨げない範囲で体の面積が大きい方が有利なので、ベルトは締めずにストラップでパンツが下がらないようにすることが多いです。
レッグパッド
ゴーリー防具で最も特徴的なのが、レッグパッドです!
ゴーリーが「ガンダムみたい」と言われる一番の理由ですね。
馬鹿でかい長方形の物体を両足に着け、地を這う低いシュートをブロックします。
両膝を氷に落とし、足下全てを覆うゴーリーの基本技術をバタフライと呼びますが、バタフライしたまま滑ることもあるため、レッグパッドの接氷面は平らになっています。
最近のレッグパッドは見た目ほど重くなく、何より格好良いです。
訓練されたゴーリーは、レッグパッドのデザインを妄想するだけで2時間は潰せます。
スケート
ゴーリーのスケートもスケーターのものとは異なります。
ゴーリーは重心を低く落として構えるので、足首が曲げられるようシャフト部分は短めです。
また、スケートの刃も比較的長く、厚くなっており、安定感が増す設計になっています。
スケートにもシュートはバンバン当たるため、カウリングと呼ばれるカバーがついているものが多いです。
最近のスケートではカウリングがないものも出始めましたが、それも爪先をはじめアッパーは非常に硬く作られています。
スティック
スティックもシュートを止めることを念頭にデザインされています。
ブレードからシャフト(柄)の途中までが幅広になっており、パックを弾きやすくなっています。
ちょうどシャフトが細くなる部分を、ブロッカーで握ってプレーします。
相手が全力で打ち込んでくるシュートをスティックで弾くので、結構バンバン折れます。
財布の一番の敵と言っても過言ではありません。笑
ゴーリーの魅力
ゴーリーは地球で一番格好良いポジションですが、そう伝えても理解できない人がごく稀にいます。
そんな少数派の方でも、なぜアイスホッケーのゴーリーが素晴らしいのかを頭で理解できるように説明します!
見せ場が多く、勝敗に直結する
アイスホッケーでは、ゴール枠内に入ったシュート(ゴーリーがセーブする、ゴールに入る)のみがシュート数としてカウントされます。
その条件で、アイスホッケーでは1試合に平均して約30本のシュートが打たれます。
つまり、1試合が60分なので、ゴーリーには2分に1回活躍の機会が訪れるのです。
また、アイスホッケーのゴールは比較的小さく、ゴーリーが物理的に届かないところはありません。
つまり、極論を言えばゴーリーが上手ければ得点が入り様がないのです。
実際に、チームが劣勢でもゴーリーが神がかり的な活躍をして勝ってしまう、という試合はザラにあります。
ゴーリーはまさにチームの勝敗の鍵を握る最重要ポジションなのです!
このことは、他スポーツとの比較でも見ることができます。
サッカーワールドカップでは、最優秀選手賞が制定されて以来、過去11大会でゴールキーパーが大会MVPを受賞したのは、2002年、ドイツのカーン選手の一度きりです。
しかし、NHLのプレーオフでゴーリーがMVPを受賞したのは過去55大会で16回と、実に約3割はゴーリーが選ばれているのです!
ここからも、アイスホッケーにおけるゴーリーの重要性がお分かりいただけるのではないでしょうか。
見た目が格好良い
ゴーリーは、見た目もめちゃくちゃ格好良いです。
体も腕も脚もいちいちゴツゴツしていて大きいですが、それが男心をくすぐります。
理屈なしに、本能に訴えてくる格好良さがあるのです。
また、アイスホッケーはチームスポーツなのでもちろんユニフォームがあります。
スケーターは頭の先からくるぶしまで、基本的にみんな同じ格好をしています。
しかし、ゴーリーだけはマスク、トラッパー、ブロッカー、レッグパッドのデザインが自由なのです!
NHLの各ゴーリーは、チームの特徴や自分の個性を反映させたマスクを身につけています。
また、トラッパー、ブロッカー、レッグパッドの3点も、ユニフォームにマッチするよう趣向を凝らしています。
訓練されたゴーリーは、世界のゴーリー達の防具を眺めているだけで3時間は潰せます。
応援しやすい
アイスホッケーは非常に疲れるスポーツなので、スケーターは40秒〜1分くらいのスパンで目まぐるしく交代を繰り返します。
さらに、みんな同じような格好をしているため、観戦していても「あれ、〇〇選手どこ行った!?」ということが頻繁に起こります。
しかし!ゴーリーは基本的には出ずっぱりで、ゴール前から動かないので、確実に見失いません!
これは可愛い我が子のプレー写真を撮りたいお父さん、お母さんや、愛する恋人の活躍を見守りたい皆様にとって非常に大きなメリットではないでしょうか?
アイスホッケーをさせるならゴーリー!付き合うならゴーリー!
ゴーリーのダメなところ
ここまで、ゴーリーの魅力ばかりをつらつらと述べてきました。
このままではただの偏愛マンなので、ゴーリーのダメなところも正直にお伝えしておきます。
僕はゴーリーに対しては常に誠実でいたいのです。
防具が超高い
めちゃくちゃリアルなデメリットです。
本当に超高いです。
正確には覚えていないのでざっくりですが、ゴリさんの全身コーデにいくらかかっているかをご紹介しましょう。
アイテム | グレード | 価格(だいたいです) |
マスク | トップ | 45,000円 |
チェストパッド | トップ | 40,000円 |
トラッパー | トップ | 55,000円 |
ブロッカー | トップ | 50,000円 |
パンツ | セカンド | 35,000円 |
レッグパッド | トップ | 200,000円 |
スケート | トップ | 55,000円 |
スティック① | ? | 8,000円 |
スティック② | ? | 8,000円 |
計 | 496,000円 |
ヒエッ…。
さらに細々したアイテム(ネックガードとかニーガードとかスロートガードとか…)も入るので、実際はさらに+20,000円くらい?
冷静になってはダメですね。
ただ、趣味でプレーしている僕は実際は全部セカンドグレードでも特段問題はありません。
そうすれば、200,000円くらいは落とせると思います。
また、僕もいきなり全てを買い揃えたわけではありません。
最初は先輩にお下がりを貰いながら、徐々に自分の防具を買いそろえていきました。
フリマサイトなどを活用すればもっと安く始められると思うので、先輩ゴーリーに相談してみましょう!
荷物が超デカい
続いてのデメリットは、荷物が超デカくなってしまうことです。
スケーターのみんなは1つのバッグに防具を詰めて、なんなら自転車や原付でリンクに来たりします。
しかし、ゴーリーは不可能です。
全ての防具がスケーターより大きいですし、何よりレッグパッドがアホみたいにかさばります。
学生の時は、信じられないことにこれ+スティックを持って満員電車に乗っていました。
あの頃乗り合わせた方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
当時はこちらも必死だったのです。
レッグパッドまで入れられる防具バッグもありますが、とんでもない重量になってしまうので個人的にはお勧めしません。
車に載せたり降ろしたりする時、階段で移動しないといけない時にえらい目に遭いますので。
どんな人が向いているの?
最後に、ゴーリーに向いているのはどんな人か、ゴリさん目線でご紹介します。
体が柔らかい人
ゴーリーの基本動作にバタフライがあります。
両膝を氷に落とし、足を広げて足下を広くカバーする技術です。
股関節が柔らかいと、バタフライの幅が広くなりセーブできる確率が高くなります。
また、ゴーリーは死ぬ気でパックを止めるポジションです。
時には無理な体勢でのセーブを強いられる時もあります。
そんな時に体が柔らかいと、セーブ範囲が広がりますし、怪我のリスクも下がります。
背が高い人
ゴールを守るには少しでも面積が大きい方が有利です。
なので、背が高いとそれだけで大きな武器になります。
NHLのゴーリーは180cmで小柄と言われ、185cmが普通、190cmでもそんなに目立たないような世界です。
意味がわかりません。笑
ちなみに、ゴーリーが人生で10回は聞かれる質問に「相撲取りだったらゴール全部隠せるんじゃないの?笑」があります。
そんな訳ありません、ゴールはそこまで小さくないですよ!
そもそもあんな体重でゴーリーをプレーしたら、一瞬で膝がぶっ壊れます。
聞かれたゴーリーはおそらく「イラっ」としているので、良識のある方は聞かないようにしましょう。笑
真面目な人
ゴーリーはパックのポジションに合わせて正確に、素早くスケーティングし、正対することが求められます。
パックがどの位置に来たらどう動き、どう構えるかを自分の中でルール化し、反復練習によって体に覚え込ませます。
非常に地味できつい練習ですが、これ無くして上達はありません。
ここから、ゴーリーには自分を厳しく律することができる真面目な人が多い印象です。
変な人
真面目な人とは正反対な気もしますが、ゴーリーには変な人も多いです。
というか、うまいゴーリーは超真面目か超変、もしくは超真面目かつ超変な人しかいません。
170km/hで飛んでくるパックを体で止めるんだから、頭のネジが何本か外れていて当然です。
ゴーリーが好きな人!
なんだかんだ一番重要なのはこれです!
アイスホッケーを見て「ゴーリー格好良い!」と思えたら素質があります!
ここまで挙げた要素と僕のスペックを比較してみると
要素 | ゴリさん |
柔軟性 | ない。爪先タッチできません。股関節も100度くらいしか開きません。 |
身長 | 171cm。ザ・平均。 |
真面目さ | 普通。特筆すべきことが一切ないくらい普通。 |
変さ | この記事を5時間くらいかけて書く程度には変です。 |
ゴーリーが好きか | 大好き!防具のデザイン考えてたら朝でした、みたいなことがたまにありました。 |
こんな感じでも、アイスホッケー歴3年で国体代表になれたし、今でも社会人のトップリーグでプレーできています。
結局、好きなら頑張れます!
まとめ
ということで、この記事ではアイスホッケーのゴーリーについて解説してきました。
僕は冗談抜きでゴーリーになったお陰で自分に自信が持てて、人生が楽しくなりました。
この記事を読んで「ゴーリーって楽しそう!」ともし思ってくれたら、ぜひ試合でゴーリーに注目してみてください。
ゴーリーというポジションのすごさ、格好良さ、奥深さを一人でも多くの方が感じてくれたら嬉しいです。
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