NHLファンのためのチーム解説シリーズ!
前回は僕が愛してやまないニューヨーク レンジャーズについて書きました。2回目以降は、東のディビジョンからアルファベット順に進めていきます!
第2回目は、ボストン ブルーインズ (Boston Bruins) を紹介します!
基本情報
ボストン ブルーインズは、アメリカのマサチューセッツ州ボストンに本拠地を置くチームです。
現在NHLに参加しているチームの中で3番目に古く、またアメリカのチームの中では最も歴史の長い、伝統あるチームです。
本拠地はボストン ノース駅直結のTD ガーデンで、NBA(ナショナル バスケットボール アソシエーション)のボストン セルティックスと共有しています。
ボストン ブルーインズの基本情報は以下の通りです。
所属カンファレンス | イースタン カンファレンス |
所属ディビジョン | アトランティック ディビジョン |
創立年 | 1924年 |
ホームタウン | マサチューセッツ州 ボストン |
ホームアリーナ | TDガーデン |
チームカラー | 黒、金 |
プレーオフ優勝 | 6回 |
レギュラシーズン1位 | 3回 |
チームの歴史
ボストン ブルーインズは1924年、スーパーマーケットを経営していたチャールズ アダムズさんによって、オリジナル6の一角として誕生しました。
アダムズさんはジェネラルマネージャーとしてかつてのスーパースターだったアート ロスさんを雇用。
ブルーインズというチーム名も、アダムズさんの命を受けたロスさんがつけました。
ちなみに「ブルーイン」とは童話に出てくる茶色いクマさんを指す古い英語ですが、アダムズさんの「素早さ、俊敏性、ずる賢さを併せ持つ動物の名前にしたい」という要望を受けて名付けられたものです。
リーグ参加初期は選手層の薄さから成績は低迷したものの、リーグの拡張とともに徐々に力をつけ、1929年にニューヨーク レンジャーズを破って初のスタンレーカップ獲得を果たします。
その翌年には驚異の勝率87.5%を記録しますが、これは今でもNHL史上最高成績として残っています。
その後は浮き沈みを繰り返しますが、1966年にNHL史に残るスーパースター、ディフェンスのボビー オアー選手の加入を機に黄金時代に突入。
加入初年度こそプレーオフ進出を逃しますが、その翌年から29年連続でプレーオフ出場のNHL記録を樹立します。
数々の名選手を揃えた1960年代後半から1980年代は「ビッグ バッド ブルーインズ」として他チームから恐れられる存在となりました。
1970年に29年ぶりのスタンレーカップ獲得を果たしてからは優勝からは遠ざかりますが、2010−2011年シーズンに1990年以来のスタンレーカップ ファイナルに進出。
バンクーバー カナックスとの第7戦までもつれ込んだ激戦を制し、見事に優勝を果たします。
以降の10年間で2度のプレーオフ準優勝、1度のレギュラーシーズン1位を獲得するなど、安定した成績を残しているブルーインズ。
今のチームも強力な攻撃陣と安定したゴーリーを擁し、いつ優勝してもおかしくない戦力を揃えています。
再びスタンレーカップを掲げる日もそう遠くないでしょう!
ホームタウン
ブルーインズの本拠地であるTDガーデンは、マサチューセッツ州ボストンに位置します。
アメリカで最も古い街のひとつで、歴史的な建造物と最先端のビルが同居するとても魅力的な都市です。
中心部は歩いて回れるほどで、ウォーキング シティの愛称を持っています。
また、世界中の学生が集まる街とも知られ、ハーバード大学やMIT、ボストン大学など、世界的に有名な大学が数多く存在します。
スポーツも盛んで、アメリカ4大スポーツ全てのトップチームが揃っており、文武両道の都市といえます。
海に面しているため海鮮物も美味しく、ロブスターや牡蠣は絶品!
ぜひ一度は足を運んでもらいたい街です!
近年の成績
ブルーインズの直近5年間の成績は以下の通りです。
シーズン | ディビジョン内順位 (8チーム中) | プレーオフ結果 |
2015−2016 | 4位 | 進出できず |
2016−2017 | 3位 | ファーストラウンド敗退 |
2017−2018 | 2位 | セカンドラウンド敗退 |
2018−2019 | 2位 | 準優勝 |
2019−2020 | 1位 | セカンドラウンド敗退 |
直近は4年連続でプレーオフに進出し、昨年はスタンレーカップ ファイナル第7戦で敗れたものの、優勝一歩手前まで肉薄するなど、戦力は充実しています。
特にスーパースター3人で構成されるトップラインは破壊力抜群!
数年のうちに優勝をつかみ取れるか、注目です!
注目選手
最後に、ボストン ブルーインズで注目すべき選手を、フォワード3人、ディフェンス2人、ゴーリー1人の計6人紹介します!
フォワード
デイヴィッド パストロナック(David Pastrnak)
誕生日 | 1996年5月25日 |
身長 | 183cm |
体重 | 88kg |
ポジション | ライトウィング |
スティック | ライトハンド |
背番号 | 88 |
国籍 | チェコ |
最初に紹介するのは、ブルーインズの若き点取り屋、デイヴィッド パストロナック選手です!
その名前から、「パスタ」の愛称で親しまれています。
ブルーインズからドラフト1巡目指名を受けて入団したパストロナック選手は、1年目からトップチームに定着。
早くから頭角を現し、今ではチームのトップユニットで得点を量産しています。
2019−2020年シーズンは7試合で48得点、47アシストの95ポイントと大暴れ!
ブルーインズ史上初のリーグ得点王に輝きました。
彼の強みはその得点センス!
ハードショットに巧みなハンドリング、ゴール前のポジション取り、どれをとっても一級品の万能フォワードです。
まだ伸び盛りの24歳、これからのさらなる活躍が楽しみな選手ですね!
ブラッド マーチャンド(Brad Marchand)
誕生日 | 1988年5月11日 |
身長 | 175cm |
体重 | 82kg |
ポジション | レフトウィング |
スティック | レフトハンド |
背番号 | 63 |
国籍 | カナダ |
続いて紹介するのは、小柄なプレーメーカーのマーチャンド選手です。
身長175cmとNHL選手の中ではかなり背が低いマーチャンド選手ですが、卓越したスキルで強豪ブルーインズの主力選手として大活躍しています。
得点能力もさることながら、周囲を生かすパスセンスにも長け、2019−2020年シーズンは70試合で28ゴール、59アシストの87ポイントを記録。
2017年と2018年にはオールスターにも選出されています。
そんな優秀なフォワードであるマーチャンド選手ですが、一方で「NHLで最も嫌われている選手」としても有名で、他チームのファンからは「Rat(ドブネズミ)」と呼ばれており、NHL選手からの投票でも「最も汚い選手」として1位に選ばれています。
その理由は彼のプレースタイルにあります。
体格のハンデを乗り越えるためか、しばしば汚いプレーをすることがあるマーチャンド選手。
ボディチェックの際にスティックで足を引っ掛け、受け身が取れない状態で相手を倒したり、審判の目を盗んで相手をスティックで殴ったり、フェイスオフの直前に相手のスティックを踏んで折ったり、揉み合いの際に相手の顔を舐めたり(!)と、彼の愚行は枚挙に暇がありません。
僕も正直彼が嫌いです。笑
スキルがない選手が生き残るために汚いプレーをするならまだしも、純粋にいちプレイヤーとして優秀なのにもったいないな、と思います。
そんな賛否両論のマーチャンド選手ですが、実力は超一級品。
ブルーインズファンの方は、彼の汚い面には目をつぶって、プレーを楽しみましょう!
(僕は好きになれませんけど!笑)
パトリス バージェロン(Patrice Bergeron)
誕生日 | 1985年7月24日 |
身長 | 185cm |
体重 | 88kg |
ポジション | センター |
スティック | ライトハンド |
背番号 | 37 |
国籍 | カナダ |
フォワード3人目は、頼れる大ベテランのパトリス バージェロン選手です!
攻守に非常に優れるバージェロン選手は、NHで守備面で最も優秀なフォワード選手に贈られる「セルカトロフィー」を4度受賞している名選手。
スタンレーカップ プレーオフ、オリンピック、世界選手権の全てで金メダルを獲得した選手が参加する「トリプル ゴールド クラブ」にも名を連ねます。
守備面でチームに多大な貢献をする一方で、フォワードとしても申し分ない能力を兼ね備えるバージェロン選手。
ここ数年はコンスタントに年間30ゴール前後を記録し、技術面、経験面でブルーインズの欠かせない戦力として絶大な信頼を得ています。
アイスホッケー選手としては高齢の35歳ですが、まだまだ第一線でチームを引っ張る頼れるベテラン。
引退までにもう一度スタンレーカップを掲げることができるかに注目です!
ディフェンス
トリー クルーグ(Torey Krug)
誕生日 | 1991年4月12日 |
身長 | 175cm |
体重 | 84kg |
ポジション | ディフェンス |
スティック | レフトハンド |
背番号 | 47 |
国籍 | アメリカ |
ディフェンスの1人目はトリー クルーグ選手です!
彼は攻撃面に優れたディフェンスで、毎シーズン40アシスト以上をコンスタントに記録しています。
ディフェンディング ゾーンからの球出しやアタッキング ゾーンに入る際のパックコントロールなど、チームの攻撃の組み立てに貢献しています。
パワープレーでも積極的に攻撃参加するクルーグ選手は、強力なブルーインズのフォワード陣を後方から支える重要な役割を担っています!
中堅選手として、これからもブルーインズを引っ張っていくことでしょう!
チャーリー マカヴォイ(Charlie McAvoy)
誕生日 | 1997年12月21日 |
身長 | 183cm |
体重 | 94kg |
ポジション | ディフェンス |
スティック | ライトハンド |
背番号 | 73 |
国籍 | アメリカ |
ディフェンスの2人目はチャーリー マカヴォイ選手です!
彼はスケーティングスキルとディフェンディング ゾーンでのポジション取りに優れた安定感のあるディフェンスで、若くしてブルーインズの守備の要として活躍しています。
得点こそそこまで多くないですが、まだ22歳と若く成長著しいマカヴォイ選手。
ディフェンスは経験を積めば積むほど実力が増すポジションなので、これからも主力として力を付けていくのが楽しみな選手です!
ゴーリー
トゥーカ ラスク(Tuukka Rask)
誕生日 | 1987年3月10日 |
身長 | 191cm |
体重 | 80kg |
ポジション | ゴーリー |
キャッチハンド | 左手 |
背番号 | 40 |
国籍 | フィンランド |
最後に紹介するのは、ブルーインズの守護神を長年務めるトゥーカ ラスク選手です!
2009−2010年シーズンに正ゴーリーとして最初のシーズンを過ごしたラスク選手は、いきなりNHLのルーキー史上唯一の平均失点2点以下となる1.97、リーグ最高のセーブ率93.1%という抜群の成績を残します。
それ以降も安定した成績を残し続けるラスク選手の特徴は、優れた反射神経とプレーを読む能力!
正確なポジショニングを保つことはもちろん、状況に応じて様々な体勢でシュートを止める姿は華があります!
2013−2014年にはリーグ最優秀ゴーリーに贈られるベジナトロフィーを受賞した、リーグ屈指の名ゴーリーであるラスク選手。
これからもブルーインズの最終防衛ラインとして、長く活躍することでしょう!
まとめ
東の古豪、ボストン ブルーインズのご紹介でした!
NHLに所属するアメリカ最古のチームとして、これからもリーグを盛り上げていってほしいものです!
ボストンの街も素晴らしいので、アメリカ旅行の際はぜひボストンを候補地に入れてみてください!
海産物に舌鼓を打ちながら、TDガーデンでブルーインズの試合を楽しみましょう!
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